ブラックなのに住宅ローンを申し込んだ

Pさんは中古住宅を購入しようとしたところ、住宅ローンを申し込んだ銀行から、今の状態では審査を進められない、と言われすぐに相談したいと慌てて来所されました。

Pさんのお話でわかったことは次のとおりです。

  • 住宅ローンを申し込んだ銀行から延滞している消費者金融を完済してからでないと話が進められない、完済証明か借金残高が0であることがわかる書類の提出が必要だと言われている。
  • Pさんに消費者金融の借り入れを完済できる資金はない。
  • 不動産業者からは、期日までに住宅ローンの審査が通らなければ、売買の話は一旦なかったことになる、と言われている。
  • 延滞している3社とも最終取引から10年以上経過しており、消滅時効が成立する可能性が高い。
  • 3社とも数回返済しただけで支払いが滞っており、過払い金が発生している可能性はまずない。

消滅時効援用と残高証明書の入手

当事務所はすぐに受任し、各社に消滅時効援用通知を送付、後日、反論がないかを各社に確認した後、各社に依頼し、残高0円と記載された残高証明書を入手しました。

住宅ローンの再審査

Pさんはそれらを金融機関に提出し、住宅ローンの審査を受けました。

私はPさんに「銀行から審査のOKが出たら教えてくださいね。」とお願いしていたのですが、何ヶ月経っても音沙汰がありません。

ダメだったんだろうな、と私は思っていました。

1年後の結果報告

そして、1年以上経ったある日、Pさんが別件の相談で「すぐに相談したい!」と来所されました。

相談票に記載された住所が異なっていたので、「引っ越しされたんですか?」と尋ねると、「前回お世話になったおかげで住宅ローンが組めて家を購入できたんです。」とうれしそうにおっしゃいます。

それなら電話でもメールでもいいので、教えてくれたらよかったのに・・・。

そう思いながら、別件の相談に応じ、それも無事に解決しました。

返送をお願いしている受取書は未だに届きませんが、またご自身に困ったことが起きた時には「すぐに相談したい!」と連絡があると思います。

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