Gさんは、お父様宛の督促状を持って来所されました。
お父様が亡くなった後に借金があることがわかり、どうしたらよいものかとご相談にこられました。
その督促状を見ると、過去10年以上取引がなく、判決などの更新(中断)事由がなければ、消滅時効になる可能性があります。
また、お亡くなりになってからまだ3ヶ月以内でしたので、相続放棄も可能です。
プラスの財産は大体把握できているようですが、マイナスの財産はわからないとのことでしたので、お父様の個人信用情報を取得し、遺品をくまなく調べて他の借入がないかチェックしてもらい、再度打ち合わせをすることになりました。

後日、打ち合わせをしたところ、個人信用情報には督促状を送ってきた債権者しか記載がなく、遺品にも他からの借入を窺わせるものはなかったとのことでした。

Gさんはお父様名義のマンションには住んでいることから、マイナスの財産もプラスの財産も放棄してしまう相続放棄は避けたい、この借金が消滅時効にならなければなんとか支払うし、その他の債務が存在するリスクも理解したので、消滅時効を援用したい、とおっしゃいました。

その他の相続人ともお話をさせていただきましたが、同じご意見でした。

早速、相続人の皆様の代理人として消滅時効援用の内容証明郵便を送ります。

この債権者は更新(中断)事由がなければ電話も書類の郵送もないので、3週間後にこちらから連絡します。
すると、更新(中断)事由はなく、消滅時効で処理したとのことでした。

再度、Gさんに再度個人信用情報を取得してもらうと、その債権者の情報は既にきれいに消えていました。

「見つかった借金は解決したので、あとは父のマンションの相続登記を自分でやってみます!」と張り切っておられました。

(司法書士は登記の専門家でもあるので、登記でお困りになった際にも遠慮なくご依頼いただきたいものです。)

【手続き前】債務 1社 約200万円(元金、利息、遅延損害金の合計)

【手続き後】 0円(時効消滅)