
消費者金融や債権回収会社から訴訟を起こされて、どうすればいいのか悩んでいませんか?
「答弁書で時効を援用したら、相手が請求を放棄した」という経験をした人もいるかもしれません。
この場合、相手の請求権は本当になくなったのか、今後の督促を止めるために何かすべきことがあるのか、不安になりますよね。
この記事では、貸金請求訴訟で請求放棄がされた場合の法的な効果と、実際に相手会社は今後どのような対応をしてくるのかについて解説します。
目次
動画
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そもそも相手会社は何のために訴えてくるの?
相手会社がわざわざ訴訟を起こしてくる理由は、お金を回収したいからです。
- 裁判所に判決をもらって、強制執行
- 訴状が届いて驚いた人と交渉して任意に支払ってもらう
この2つの方法で回収したいと考えています。 - 相手会社の本音
ただし、相手会社も多数の案件を抱えているため、「時効を援用される」「勝ち目がない」と判断した訴訟にはリソースを割かず、素早く撤退する傾向があります。それよりも、支払ってくれる見込みがある相手に集中して回収したいのが本音です。
事案の流れ
- 原告が貸金請求訴訟を提起
- 被告(あなた)が答弁書で「時効を援用」
- 原告が訴訟を取り下げ
- 被告が取り下げに不同意 → 裁判続行
- 原告が「請求の放棄」→訴訟終了
質問1:原告の請求権はなくなったのか?
→ 法的に請求権はなくなります。
- 原告は、時効の主張に反論できず、自身の請求が通らないと認めて「請求放棄」を選びます。
- 「請求の放棄」は確定判決と同じ効力を持つため(民事訴訟法267条)、原告は今後、同じ請求をすることができません。
- 被告の同意が不要。訴訟は請求放棄だけで終了します。
- 裁判所が時効成立を判断したわけではありませんが、結果的に「請求権がなくなった」という点で違いはありません。
質問2:内容証明など追加の対応は必要?
→ 不要です。
- 法律上、請求権は完全に消滅しているので、相手会社はもはや請求できません。
- 実際にも、相手会社は「支払ってくれない人」には関心がありません。リソース効率的に「取れる人」に回収を集中するため、あなたへの督促など無駄なことはしません。
- 裁判所の調書は、相手が請求を放棄した紛れもない証拠です。大切に保管しましょう。何かの手違いで督促状が届いたときは、調書があることを示して抗議すれば済む話です。
まとめ
訴訟で時効を援用し、原告が「請求の放棄」をした場合、
- 原告の請求権は法的に失われます。
- その後、内容証明の送付や追加対応は不要です。
- 裁判所の調書が“請求権消滅”の証拠となるので、しっかり保管しましょう。

