「法律事務所からの封筒におどろいて開けてみたら、夫への古い借金の請求書だった。」
「聞いたことのない債権回収会社からの圧着式のハガキを子供がめくったら、夫宛の督促状だった。」
奥様はもう泣きたい気分ですよね。そんなときは、どうすればいいのでしょうか。
私どもの事務所には、夫の借金について、奥様から相談いただくケースが非常に多いです。(逆もあります。)
やってはいけないこと
1.請求先に電話する
何かの間違いではないか?
そう考えて請求書の連絡先に電話しようとするかもしれません。
しかし、電話したところで、「ご本人以外にはお話できません。」とけんもほろろに電話を切られるのがオチです。
2.一部だけでも払ってしまう
「◯月◯日までに支払いがない場合は、法的手段をとります。」と書かれていれば、慌ててしまい、夫の名前で一部だけでも振り込んでしまうかもしれません。
しかし、時効期間が過ぎている古い借金であっても、一部だけでも支払ってしまえば債務を認めたことになり、時効の主張ができなくなる恐れがあります。
3.夫を責めたてる
夫を正座させて責めたてても何も解決しません。
意固地になるだけです。
問い詰めても「昔のことでよく覚えていない。今まで通り無視しておけば、いつか来なくなる。」と根拠のないことを言って、その場をしのごうとするご主人が多いです。
4.放置する
たとえご主人が「無視しておけ」と言っても、放置するのは得策ではありません。
借金は本人が死んでも無くならない
いくら古い借金であっても、時効を援用するまでは借金は残っています。
借金は本人がお亡くなりになっても無くなりません。
預貯金のようなプラスの財産と同じように、借金というマイナスの財産も相続人である奥様やお子様に相続されます。
ちょっと知識のあるご主人なら、「相続放棄したらえんやん!」と言うかも知れません。
その時は、
「死んだ後も私達に迷惑かける気?
生きているうちに解決しときなさい!」と強く言い返してもいいかもしれません。
訪問された時に家にいるのは家族かも知れない
放置していると自宅まで訪問されたり、裁判を起こされることもあります。
家に居る時間はご主人より奥様やお子様の方が長いのではないでしょうか。
インターホンが鳴った時に「貸金業者かも?」「裁判所の特別送達かも?」と心配しながら玄関を開けるのはご家族なのです。
やるべきこと
1.落ち着く
まずは、深呼吸して落ち着きましょう。
慌てて行動してもろくなことになりません。
2.情報を集める
深呼吸したら、パソコンやスマートフォンでインターネットを検索してみましょう。
「『◯◯法律事務所』 『催告書』」などのように、差出人と書類名を入れて検索してみると、自分たち以外にもその請求書が届いたという情報や専門家のホームページがヒットするかも知れません。
3.夫と冷静に話しをする
「こういう請求書が届いてネットで調べたんだけど、時効になることもあるらしいから、専門家に相談してみない?」という風に、冷静に淡々と話をしましょう。
夫と喧嘩するのは、専門家に相談してからでも遅くありません。
4.司法書士か弁護士に相談する
ホームページで見つけた事務所でもお近くの事務所でも構いませんので、あなたが相談しやすいと思う弁護士か司法書士事務所へ予約の連絡を入れ、夫と一緒に届いた請求書を持って相談に行きましょう。
弁護士・司法書士事務所では、
- 時効になる可能性はあるか
- 時効にならないのであれば借金をどのように整理する方法があるのか
などについて詳しく教えてもらえるはずです。
夫の借金についてあなただけが悩む必要はないのです。
ぜひ、その悩みを専門家に打ち明けて下さい。
相談するだけでも悩みが軽くなるはずです。
当事務所には、奥様に連れられて、もしくは奥様の指示で相談にお越しになる方がたくさんいらっしゃいます。